さに袋

2Pickとか。さに袋ってなんだ……(真顔)

【2Pick】1.《ゼウス》【一日一枚】

一日一枚ピックアップして2Pickでのそのカードについて語るという謎企画。
とりあえず6記事は出来上がっているので一週間程度は続くと思います。

記念すべき第一回はニュートラルカードがいいだろうということで、ニュートラルレジェンドにおいて基本最高評価であるゼウスです。

後でがっかりされないよう先に言っておきますが、今回は筆が乗って長くなりすぎました(4500字超え)。次回以降は半分以下になると思います。

 概要

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基本スペックのおさらい。

ニュートラル/レジェンド/フォロワー
10/5/10
疾走
必殺
守護

以上。
最低限のキーワードと類を見ないスタッツで10コストフォロワーとして機能し、どこぞの13/13と違ってぶっ壊れ扱いもされない優良デザインのカード(要出典)です。

2Pickにおいてのゼウス

2Pickにおいてのこのカードの仕事はざっくり2つ。
・5点リーチ
・10コストフォロワー
とこの2つのキーワードがあれば説明できるでしょう。

5点リーチについては見慣れない言葉かもしれませんが特に難しいことはなく、文脈から推測できる通り「即座に顔面に5点入れられるカード」です。
5点というのは比較的大きな打点であり、リーダーによっては更地から出せる最高打点であることもあります。
1枚でこの打点が出せることで多少の無理も通るカードだといえるでしょう。また走らせた返しのターンに大きな盤面が作れるため、次の更なるリーチとターンをまたいだ足し算リーサルを仕掛けやすい(例:ゼウス→ノアで10点)のも特徴かと思います。

もう一つの10コストフォロワーは文字通りです。文字通りではあるのですが、そこらの大きいだけのフォロワーよりかなり信頼性が高いのがこのカードの特徴でしょうか。
まず強い高コストフォロワーの条件の一つに仕事が速いというものがあります。これは使ったターンに影響を及ぼすフォロワーのことを主に指しており、除去で返されても既に仕事をしているため大損をしないというのが利点になります。進化権無しに強い影響を及ぼすカードは相当に重宝されます(例:バハムート/グリームニル/アルベール)。
疾走・突進はこれに該当します。ゼウスは必殺を持っているので「出たターンに顔面5点or確定除去を飛ばせる」という最低保証を持っている訳です。
この条件を満たしつつ、ゼウスは「大型守護」という特性を持っています。
相手は「大型フォロワーが出てもスルーして顔面に打点を入れて勝ち」というプランが取れず、確定除去がなければ何枚かの(合計10コストくらいの)カードでゼウス1枚と交換する羽目になります。これはリソースゲームになった場合にこちらが大きく優位に立てることを意味します。
(脱線:守護は疾走・突進よりは遅いですが返しの相手のターンに影響を及ぼすため、何も能力のないカード(例:インペリアルマンモス)より仕事が速いといえます。)
10点の守護はこのゲームで最大のサイズであり(なんでフロントガードジェネラルは7コストにして肉薄してるんだろう)、しかも必殺を持っているため進化で上から取ろうとするともれなく相打ちになります。ただの守護としても最高級という訳です。
守護としてのこのカードは確定除去を持たれていると仕事ができませんが、氷獄の呼び声をはじめとした大量の確定除去が消えたこの環境において、更に疑似確定除去であるミスターフルムーンを(守護としては)受け付けないというのがかなり大きく、エルフなどは愚直に10点ぶつける以外堕天でしか対応できません。
この最低保証と「確定除去がなければダメージを10点分ぶつけるしかない」という特性がうまく合わさり、大体どんな状況であっても10コストに相当する交換をしてくれる、というのがゼウスの強みなのです。

ここまでゼウスの強さを延々と語ってきましたが、当然弱いところもあります。それはずばり10コストであること。10PPになるまで仕事ができない……というかプレイできません。
今でも中盤まででゲームが決まることはそこそこあり、10PPを迎える前にゲームが終わったためゼウスは引かないほうがいいカードであった、という場面には思った以上に遭遇します。
別視点だと、軽すぎて10ターン目まで手札が持たないデッキ、というのを組むことになる機会はどうしてもあるため、そこではしっかり必要か考える必要があります。7ターン目にゼウスとゴミアミュレット以外のカードが無くなり8,9ターン目で死ぬ、とかゼウスを出しても盤面の打点だけで死んでいる、とかいうことになってはゼウスの力が発揮しきれません。
ただ前期に引き続き今期も比較的ゲームが長くなりがちなため、そこまで敏感になる必要もないかとは思います。
また10コストであるため、他のカードと一緒にプレイできず、小型が大量に横に並んでいてライフが危ない場面などではあまりうまく着地できません。中型1体取りながら着地すれば大体元は取れるのですが多少小回りが利かないところがあります。小回りは利かないがどんな盤面でも更地にして着地するカードがあるらしい

ということで「5点リーチ」「10コストフォロワー」の2点についてはこんな感じです。

今期特筆すべき点として落とし穴に落とされることがままあります。正直守護のみをアテにして使う場合以外はケアのしようがないので、諦めるか落とし穴を切らせてから出しましょう。進化権が切れると使いづらいので割と早めに切ってくれることも多いです。

各クラスでのゼウス

ニュートラルカードなのでこの辺も触れておこうと思います。
主に「5点リーチ」が生きるか、という点が問題になります。

エルフ

ビートルイピリア対空アンリエットジャングルエレファント!といった顔面志向の戦術と相性がいいです。まさに「ターンをまたいだ足し算」をします。
5点リーチについて、エルフは10PP払ってイピリアを2枚出すと10点出たりしますが別にゼウスのコスパがそんな悪い訳ではないです。イピリアやジャングルがおかしい。
また、Nシナジーが割と多く残っており(フラプリ/B&B/双撃)、エルフのNシナジーは高コストのNカードと相性がいいため、その補助としてかなり優秀です。

ロイヤル

エルフと同じく顔面志向の戦術が取りやすいクラス……だったのですが今環境(CGS期)では最弱の噂があり、それができるかというと割と怪しいところがあります。
ファングスレイヤー・アルベール・ニンジャアーツ&ニンジャマスターがいなくなってしまったためその方向に寄せてもカードの枚数が足りない気がします。
それでも9Tマスタークノイチ10Tゼウス10点!のような動きはできるため比較的かみ合いはあるといえるでしょう。

ウィッチ

ウィッチは今期ルーンの貫きやディザスターウィッチが落ちたため顔面志向の戦術をとることは厳しくなっています。天輪のゴーレムやレヴィが残っており連鎖する雷が追加されているため無理とは言いませんが……
エルフと同じくNシナジー(スイーツウィッチ/プリス)の種になる他、特筆すべきは幻影使いとの相性でしょう。
丸々5点or必殺ぶんの仕事をして更に返しのターンに大きな守護が残るため、トレードががっつり制限される非常に面倒な盤面になります。狙えるデッキなら是非狙いたい非常に強力なコンボです。
またレジェンド2枚コンボになりそう簡単には実現しませんが、ジンジャーとの相性も非常によくなっています。顔面は殴れませんが。

ドラゴン

PPブーストで早出し……というのは基本的に狙ってできるものでもないため、構築と違いそんなに相性がいいということはありません。
ただアイラや巫女等自然にPPブーストできるカードから早出しできた場合は強力なカードだといえるでしょう。
ドラゴンには巨大守護がたくさんいたため連打して相手を力尽きさせる動きができた……のですが、フォートレスキャンサー・漆黒の獣戦士・ドラゴンガードと大量削除に遭ったため今はとれない戦術となっています。

ネクロマンサー

ネクロ固有のリーチはロクに無いため(昔はゼウスのそっくりさんがいましたが)そちらでのオラつきは期待できませんが、逆にリーチが1枚欲しくて取るということが割とあると思います。
また死竜の使い手・生と死の逆転によるリアニメイトで一本釣りしたいカード筆頭です。決まれば幻影使いも真っ青。ゴールドとのコンボでありデッキの軸にはなりえませんが……
高コストのクラスカードにこれといった大型フォロワーがなくよく小型中型で盤面が埋まるため、大型フォロワーが欲しい場合に重宝します。自分だけかも。

ヴァンパイア

昏き底より出でるものを9ターン目に出して次にゼウスを投げると16点出ます。意味わからん。一裂き絡みだとさらに大きい打点が出るのはもっと意味わからん。
顔面志向のカードはそこそこあるため、サーベイジウルフや鋭利な一裂きと合わせて大打点を狙うことは割とあります。
またバンダースナッチから一本釣りしたいカードとして最有力です。スナッチ自体はシルバーですが幻影使いと違い釣り先がランダムなため、デッキ構築時点で意識するといいかもしれません。

ビショップ

中盤に処理不能盤面を作り、1-2ターンで顔面を大きく削るという戦術がとれるのがビショップ。
そこで足りなかった打点を補うのに5点というのはなかなか大きいといえるでしょう。
打点だけ見るとグレートタウラスという上位種がいますが、合わせて使うと10点!今期はヘヴンリーナイトにもボーナスがかかっているためデッキによっては顔面志向もいけるかもしれません。
なお、頂きの教会はビショップフォロワーにしか乗りません。注意。

ネメシス

ロングゲームをすることが多いクラスなので「10コストカード」としての側面が強めに出るかなと思います。守護が結構貴重なためそこも役立てることができそう。
ノアやレディアンアーティファクトと一緒に使うとえぐい打点が出ることもあります。

他にはニュートラルで魔海の女王あたりとの相性がいいですがまあこんなところでしょう。

 

同じ枠内での評価

いわゆる「ニュートラルレジェンド」の枠内でどのあたりに位置するかという話。
一言で言うと「一位です」。
おそらく全クラスにおいてニュートラルレジェンドの中では一位。
というかニュートラルレジェンドは割と質が悪く、次の候補がイスラーフィールか魔海の女王か、といったところです。

同枠で出てくるクラスカードとの比較では、ただひたすらに堅実なだけのカードであるためぶっ壊れカード群(例:ジャングルの守護者/昏き底より出でる者)には見劣りする他、10コストである点から「軽めでゲームを破壊できるカード」(例:不死の大王/ステンノ)にも劣ることがあります。

 また、一環境前(SFL環境)においてこんなアンケートをしたことがあります。

50票程度を集めてバハムートとの人気比率が3:1。
どちらにも「重い」という欠点がありそこを差し引いての比較になりますが、少なくない人数が「バハムートより強い」と考えていたことが分かります。あのバハムートに比肩しうるんですよ!

まとめ

ゼウスは「5点リーチ」「10コストフォロワー」の特性を少ないキーワードで堅実にまとめたカード。重いので7コスト以下くらいでゲームを破壊できるクラスカードには劣るが、ニュートラルレジェンドの中ではトップの優秀さである。

個人的に言いたいこと

先日初めて行ったJCGの決勝でのワンシーンです。

トップゼウスで優勝を逃した!というのとゼウス投げてれば勝ってた!というのが合わさったなんとも因縁深いシーンになっています。何故手元に見えているカードのケアを怠るのか
裏目がある訳でもないのでこれも経験と修練が浅かったためと割り切るべきでしょう……