さに袋

2Pickとか。さに袋ってなんだ……(真顔)

【2Pick】強いカードの分類【Shadowverse】

ニコニコからの引っ越し記事です。

 

 

 

「取るべきカード」と「避けるべきカード」の記事でも触れましたが、2Pickにおいて強いカードというものにはいくつか種類があります。
例としていま構築で暴れている天国への階段竜神の巫女を挙げてみると、これらのやっていることはドローとPPブースト・回復で違いますが、両方とも2Pickでも強カードとして通っています。
では2Pickでの「強い」には細かく分けるとどういう種類があるのか?ということをこの記事で列挙していきたいと思います。

面倒くさい人用のまとめ

2Pickで強い(ピックしたい)カードの種類は以下の通り
・コスト詐称カード
・すぐ相手の盤面に干渉できるカード
-軽量除去
-確定除去
-全体除去
-除去のついたフォロワー
・相手の妨害を受けずライフを削れるカード
・1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード
・テンポよくドローできるカード
・序盤戦で強引に優位を築けるカード
・エンハンス持ちのカード
・2/2/2および3/2/3のフォロワー
・(半)無限にアドバンテージを稼げるカード(3/31追記)

はじめに

「強いカード」と雑にひとくくりにしていますが、この記事での「強いカード」の定義は「ピックで選びたいカード」とします。
「出せたから勝てたカード」(不死の大王など)の他に「出せなかったから負けたカード」(2/2/2など)も入ることになり、人によっては表現に違和感を覚えると思いますがご了承ください。
また2Pickの基本として「1:2交換を繰り返すとリソースゲームで勝てる」(トレードし続けている内に相手の手札だけが切れる)ということを認識しておくとスムーズに入ってくるかと思います。
ではここから「強いカード」の種類とその説明に入ります。

・コスト詐称カード

例:不死の大王、ルミナスメイジ、トランプナイト招集
当然といえば当然のこの分類。
標準スタッツ(2コストなら2/2、3コストなら2/3など)を上回るフォロワーが該当します。
複数のフォロワーに分かれておりそのコスト合計が元のコストを上回っているケースが多いので「足し算のできていないカード」と呼んでもいいかもしれません。
例えば不死の大王は5コスト標準スタッツの4/5に2コスのフォロワー2体がついてきて、ラストワードで4コストのカードを0コストにするため5+2+2+4=13コスト分の働きをしますが左上の数字は何故か7。です。(11/1追記:実は竜の峡谷の方が単純な足し算では上でした)
フォロワーでの計算の他に、コストパフォーマンスのいい除去も該当することがあります。例えば緋色の剣士の除去は2コストの除去スペル(鮮血の口付け)に相当。本体は2/4必殺で、5/2/5必殺のソウルグラットンと4/2/3必殺守護+αのエウリュアレーを見るとおおよそ4コスト相当といったところでしょう。2+4=6なのに支払うコストは5。強いです。
何故強いかを一応説明しておくと、実質的に相手より多くのPPを使えるのが原因だと思っています。7PP時に13PP相当の行動をすれば相手より6PP分大きな盤面が築ける訳で、それなら戦局は傾くに決まっているという寸法です。

・すぐ相手の盤面に干渉できるカード

例:群れなす飢餓、氷獄の呼び声、死滅の霧
要するに除去。スペルであることも多いですが、当然除去持ちフォロワーも該当します。
2Pickでの負け筋のひとつに「進化権と除去が尽きて相手の進化フォロワー(や残すとまずいフォロワー)が処理できなくなる」というものがあります。
相手の10/1が残った盤面に手札の能力無しフォロワーを投げるしかない状況があったとすると、相手が先にトレードできるため最もこちらに不利なトレードが行われます(2/2/2と3/2/3と5/4/5を投げた場合5/4/5が取られる)。顔面に来るというのは置いておいて。
ここに除去を持っていた場合は例えば死霊の手なら1PPで処理でき残りの4PPはフリー。5コストフォロワーと交換するのとどっちが得かはお分かりいただけるでしょう。このように不利なトレードを防ぐのがこれらの主な役割です。
ただ除去スペルに関しては、手札に抱えすぎると更地や潜伏のみの盤面が回ってきた場合にPPを効率的に使えなくなるという問題を抱えているため、取りすぎにも注意しないといけません。群れなす飢餓は強いカードですが、全部群れなす飢餓のデッキが勝利することは(ほぼ)不可能です。

軽量除去

例:ブレイジングブレス、群れなす飢餓、毒蛇の一噛み
「すぐ相手の盤面に干渉できるカード」のサブカテゴリ
これらは基本的に「出せなかったから負けたカード」に分類されます。
上記のような場面で使う他に、最近多い小型必殺をうまく処理するのに活躍したりします。更地に鎮座するスコルピオをすぐ処理したい場合に、2/2/2進化で処理するより2点除去で処理する方が進化権一回分得になるというお話。

確定除去

例:氷獄の呼び声、クリスタリア・リリィ、ミスターフルムーン
「すぐ相手の盤面に干渉できるカード」のサブカテゴリ2つ目。
ダメージスペルだけでもそれなりには回るのですが、確定除去でないと処理できないサイズや特性を持ったフォロワー(バハムートやギガースなど)がおり、それらに対処するために選択肢として抱えておきたいカード群です。
1体のフォロワーを2,3枚のダメージスペルや小型フォロワーで処理すると実質2:1(3:1)交換となりリソース面で不利になることを覚えておきましょう。そういう交換を避けるためのカードです。

全体除去

例:死滅の霧、グリームニル、バハムート
「すぐ相手の盤面に干渉できるカード」のサブカテゴリ3つ目……
……かと思いきや、これらのカードは「出せたから勝てたカード」に分類されることが多くなります。
1:2以上の交換を容易に行えるカードであるため、場面によっては戦局に絶大な影響を及ぼす大逆転カードになりうるカード群です。
すぐ相手の盤面に干渉できるという性質を引き継いでいるのも確かであり、効率よく相手盤面を処理したい場面でも活躍することがあります(例:星の奔流を進化した8/1に撃つ)。
また、複数のフォロワーに一気に対処できるため、「フォロワーを横に並べられ進化だけでは処理しきれずライフが無くなって負ける」という負け筋のひとつをカバーすることができます。

除去のついたフォロワー

例:豪拳の用心棒、ファングスレイヤー、ニンジャアーツ(エンハンス)、天馬のエルフ
「すぐ相手の盤面に干渉できるカード」のサブカテゴリ4つ目……
……でもあるのですが、こちらも「出せたから勝てたカード」に分類されることが多くなります。
これらのカードは「除去」「フォロワーの展開」を1枚でこなせる都合上1:2交換を仕掛けることができます。これが積極的に勝ちに関わっていける理由となっています。
突進フォロワーの多く(上からトレードを行えるスタッツがあるもの)もここに含まれます。実質突進に近い能力で進化できるフォロワー進化権を回復できるフォロワーも含めていいでしょう。
一部の除去しながらフォロワーが出てくるスペルも該当します。ニンジャアーツやゾンビパーティなど。
進化時効果で除去を行えるフォロワー(ティナや天馬のエルフ)もこれに含まれると考えています。
またこれらの内突進フォロワー以外のカードが進化すると2体以上のフォロワーを処理できるという性質を持っており、全体除去と同じように負け筋を減らすことができます。

・相手の妨害を受けずライフを削れるカード

例:インプランサー、マスタークノイチ、イヴリシア、激震のオーガ
疾走フォロワー潜伏フォロワーリーダーに直接ダメージを与えるカード
またエンジェルナイトなど場のフォロワーを攻撃バフするカードも含んでいいと思います。
自分はこれらを総称して「リーチ」と呼んでいますがそこまで一般的ではありません。
これらのカードを持っていると、盤面での有利を築いている時間が短くても相手を倒しきれるようになり、プレイの選択肢が広げられる(早めにトレードをやめてリーダーを殴りに行くなど)ようになります。
コストに対してスタッツが低いフォロワーが多いため、取りすぎるとそもそも盤面が取れず足を引っ張ることがあるのには注意が必要です。
また「妨害を受けず」と書きましたが、妨害を受けにくいほどこの性質としては強いというのが正しく、直接ダメージ>疾走>バフ≒潜伏の順に守護・除去などによる妨害を受けにくくなります。
疾走フォロワーは突進の上位能力であり「除去のついたフォロワー」も兼任できることが多いです。

・1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード

例:二重練成/ゴブリンプリンセス/グレイブウェイカー/マチルダ
ファンファーレやラストワードでフォロワーを場に出すフォロワー、あるいは複数のフォロワーが出てくるスペル/アミュレットです。
またファンファーレやラストワードでフォロワーを手札に加えるフォロワーも該当します。
ただ強いカードであるためには一つ条件があり、基本的に「使ったコスト以上の合計コストのフォロワーが出てくること」を満たしていないといけません。
例えば二重練成は4コストで2/2(2コスト相当)が2体出てくるためコスト的には問題ありません。一方でアセンティックナイトは3コストで1/2(1コスト相当)が2体出てきますが、合計コストは2で払ったコストに見合っていないため基本的に弱いカード扱いです。
これらのカードが何故強いかというと、ずばり処理に2枚以上のカードを使わなければいけないことが多いからです。除去付きフォロワーと同じく1:2交換しやすいカードとなっています。また先ほどの負け筋と対になる勝ち筋である、「横に並んだフォロワーを相手が1体ずつしか処理できずライフを削りきれる」という勝ち方にも貢献します。
2Pick最強カードの一角であるカイザはこの極致で、極論相手が出してくる2/2/2や軽量除去と無限にトレードし続けられるため、1:∞交換ができるのが強さの源となっています。
また、少々趣は違いますがバハムートやギガースなどは「確定除去・必殺フォロワーがない」という条件付きで処理に手数がかかるため同じような性質を持っています。

・テンポよくドローできるカード

例:天界への階段/ファントムキャット/純心の歌い手/バフォメット
1枚ドローorサーチしながらフォロワーを出すor2枚以上ドローするカードの中でも、ドローする枚数に対してコストが安いカード達を指します。
目安としては「1コストで1枚」以上のコスパを持ち(知恵の光は例外)3コスト以上の隙を作らないもので、例に挙げた天界への階段は1コスト3枚、ファントムキャットは5コスト相当のスタッツで1コスト2枚、純心の歌い手は1コスト相当のスタッツで2コスト2枚となっています。これ以下のコスパであるカード(竜の未来視など)や3コスト以上の隙を作るカード(エンハンス天なる大河、ルーなど)はプレイするための相手の隙を作りだすのが難しいことが多いためややピックには慎重になった方がいいかと思います。
何故強いかについては、盤面を維持しながらドローカードをプレイできた場合リソース量で相手に勝つことができる(盤面を取り合い続けると先に相手の手札が切れる)というのが基本になります。
また選択肢が増えるという面も大きく、その場に応じた除去などを選んでプレイできるため有利な盤面を築きやすくなります。

・序盤戦で強引に優位を築けるカード

例:ジェノ、グリームニル、オルトロス
2-4ターン目までの攻防で1:2交換が生じ、それが取り返しづらいカードを指します。主に先攻時にそうなるカードが多いですが、今は出ない渾身の一振りは後攻時にナイト1体分有利な盤面を築けるカードだったりするため先攻有利カードとも限らないようです。
例に挙げたジェノで先攻4ターン目に3/2/3を取った場合、1点除去がなければ先攻が大きな優位を得ることになります。グリームニルは相手の2/2/2が2コストのカードとトレードすることを許さず一方的に取り、オルトロスは3/3/2を取りながら自分の場に4/3と1/2が並ぶなど、取り返しがつかないくらいの大きな差がつくことが多いです。

・エンハンス持ちのカード

例:アックスファイター、ニンジャアーツ、ブリンディ
誰が言ったか「2Pickは2/2/2とエンハンスって書いてあるカードを取ってれば勝てる」。実はあながち間違いでもなくエンハンスは2Pickにおいて非常に優秀な能力です。
「重いカードを取りすぎることによる序盤の事故を防げる重量級カード」という性質で見るのがいいでしょうか。重量級デッキであればリソース量で相手を上回りやすくなります
地味な効果ですがかなり大勢に影響を与えます。侮れません。
また、「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」の一部であるファンファーレで手札にカードを加えるカードも、同時プレイか単独プレイかが選べるという面でエンハンスと同じ性質を有しています。ミニゴブ、マチルダ、アレア(加えるのがフォロワーではありませんが)など。
余談ですが何故かコスト詐称カードとの兼任カードが多いような気がします。能力のところに書いておけば足し算を誤魔化せるとでも思ったか!

・2/2/2および3/2/3のフォロワー

例:セクトール、アックスファイター
最後になりますがこれらも当然大事。「出せなかったから負けたカード」の最たるものです。
2パスや3パスの試合はやっぱり負けます。なんだかんだ負けます。
強いデッキは彼らの支えによって成り立っています。2,3ターン目以外にも結構2,3PPの隙間が生じることはあり、綺麗なマナカーブのデッキでないとそこを埋めにくいなと感じることは割と多いです。
ちなみに2/1/3は後攻時およびオウルキャットとのトレードに難を抱えており2ターン目の動きにはあまり換算したくありません。
3/1/4はトレードをする前に進化フォロワーに取られたりして使いにくいです。
3/3/2は比較的マシなスタッツですが、相手のカイザやミニゴブが着地したときに損したり3ターン目2/2/2の軽事故を咎められなかったりするためやっぱり3/2/3よりは優先度が下がります。
この辺のスタッツごとの特性についても覚えておくといいかもしれません。

・(半)無限にアドバンテージを稼げるカード(3/31追記)

例:月と太陽、プライムアーティファクト(歴史を知る者/ミリアム)、ギルヴァ
記事を書いた当時の環境にはヘヴンリーイージス・カイザくらいしかいなかったため割愛したのですが、DBN環境になっていくらか新カードに強いものが追加され、カテゴリ分けした方がいいと判断したため追記します。
このジャンルのカードは、基本的に「プレイした時点でややテンポロスをするが、そこからはターンが進むごとにアドバンテージを稼いでくれる」というデザインをされており、1:2交換の原則に代表されるリソースゲームの概念を壊して勝つことができます(手札が切れなかったり、手札が切れてもテンポアドバンテージを稼ぎ続ける)。
稼ぐアドバンテージの例を見ていきましょう。
月と太陽(カイザ)であればハンドアドバンテージであり、先の項目で触れたように盤面さえ失わなければ1:∞交換ができます。
プライムアーティファクトのようなカードであれば、盤面に(消滅されない限り)無限に0コストで5/5を出し続けると見ることができ、盤面の奪取(ひいては他のアドバンテージへの干渉)に大きな力を発揮します。自分は「無限テンポカード」と呼んでいます。
収穫祭のような永続アミュレットも基本的にこのジャンルに属します。2Pickではアミュレットの起動条件を満たすカードを多くデッキに組み込むことが困難なので、収穫祭くらい起動条件がゆるくないと出した時のテンポロスを取り返すのは難しいことが多いですが(援護射撃などは構築によっては暴れます)……
また、ドラゴニックメイル・ギルヴァのようにリーダーに永続的に能力を付与するカードも基本このカテゴリに属し、アミュレットより対処困難であるため、起動条件によっては(ヨルムンガンド等は構築に依存し微妙なことも多い)かなり強いカードとなります。

このジャンルのカードが強い条件には、「着地しやすい(コストが軽いor盤面に干渉しながら出てくる)」「起動条件が緩い」「盤面に強く干渉できる」などが挙げられ、Pickerの恨みを買いやすいジャンルでもあり、また評価の難しいジャンルでもあります。

 



ここまで読んでくれた方に、これらの性質を複数兼ね備えたスーパーカー(婉曲表現)をいくらか紹介して記事を締めたいと思います。
ちなみに該当項目が多いと強いのは確かですが、強いカードはみんな該当項目が多いという訳でもありません。例えばサタンズサーヴァントがデッキに入れられたら当然ぶっ壊れですが、持つ性質は「コスト詐称カード」と(条件付きで)「処理に手数がかかるフォロワー」ということだけでしょう。特にコスト詐称の性質についてはそこに極振りしているとそれ一つでぶっ壊れになりやすいです。

ゾンビパーティ

「コスト詐称カード」「軽量除去」「除去のついたフォロワー」「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」「エンハンス持ちのカード」の5項目に該当。やっていることの性質がそもそも強いのに2+2+2+2=7というよくわからない足し算のおまけつきで最強カードの一角に。バケモノです。

ジャングルの守護者

「コスト詐称カード」「除去のついたフォロワー」「相手の妨害を受けずライフを削れるカード」「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」「エンハンス持ちのカード」の5項目に該当。こいつだけはケアしきれないことが多く、グリームニルとともに「エンハンス10はなんでもしていいという免罪符なんだろうな」と思うようになった1枚。

ジェノ

「除去のついたフォロワー」「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」「序盤戦で強引に優位を築けるカード」「エンハンス持ちのカード」の4項目に該当。先攻4ターン目の最強ムーブの上にそれ以外のことをやっても強いというのがヤバさの原因です。

ルミナスメイジ

「コスト詐称カード」「除去のついたフォロワー」「相手の妨害を受けずライフを削れるカード(ルミナスナイト進化時)」「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」の4項目に該当。そもそもが5+2=5でコスト詐称の上に対応できる場面が異様に広い謎バランス。

バンダースナッチ

「コスト詐称カード」「除去のついたフォロワー」「1枚から2枚以上のフォロワーが出てくるカード」「エンハンス持ちのカード」の4項目に該当。エンハンス前ではあまり使いませんが割と強いです。場合によっては不死の大王並みの雑足し算っぷりを見せてくれるゲームエンドカード

グリームニル

トリはさぁ!でおなじみのこの人。「(全体)除去のついたフォロワー」「序盤戦で強引に優位を築けるカード」「エンハンス持ちのカード」「3/2/3のフォロワー」の4項目に該当。ちなみにnerf前は「相手の妨害を受けずライフを削れるカード」でもありました。3コスでも10コスでも雑に強いのが頭悪いと思います。

以上になります。4個についてはまだいくつか思いつきますが、5個以上該当するカード(特にドローの項目を含むものはないでしょうか)を他にも思いつく方は是非声をかけてください。